説明

免疫調節薬のpH感応性放出がある標的指向性合成ナノキャリア

本発明は、pH感応性様式で合成ナノキャリアから分離する免疫調節薬を含んでなり、抗原提示細胞(APC)などの細胞中の作用部位を標的とする、合成ナノキャリア組成物、および関連方法に関する。pH感応性様式で合成ナノキャリアから分離する不安定な免疫調節薬をカプセル化する、合成ナノキャリアに関連した組成物、および方法もまた開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ナノキャリアと共役している免疫調節薬を含んでなる前記合成ナノキャリアを含んでなる組成物であって、前記免疫調節薬が、
IArel(4.5)24%/IArel(7.4)24%≧1.2
の関係式に従って前記合成ナノキャリアから分離し、
式中、
IArel(4.5)24%は、重量%として表され、前記合成ナノキャリアのサンプル全体を平均した、pH=4.5で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される免疫調節薬の重量と、pH=4.5で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して前記合成ナノキャリア中に保持される免疫調節薬の重量との和によって除した、pH=4.5で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される前記免疫調節薬の重量と定義され、
IArel(7.4)24%は、重量%として表され、前記合成ナノキャリアのサンプル全体を平均した、pH=7.4で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される前記免疫調節薬の重量と、pH=7.4で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して前記合成ナノキャリア中に保持される前記免疫調節薬の重量との和によって除した、pH=7.4で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される前記免疫調節薬の重量と定義される、組成物。
【請求項2】
前記免疫調節薬が、免疫調節薬共役部分を通じて前記合成ナノキャリアと共役している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記免疫調節薬が前記合成ナノキャリア中にカプセル化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記免疫調節薬が不安定な免疫調節薬を含んでなる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記不安定な免疫調節薬が、イミダゾキノリン;アデニン誘導体;または5’−CG−3’(式中、Cはメチル化されていない)を含んでなるオリゴヌクレオチドを含んでなり、前記オリゴヌクレオチドが1つ以上の安定化されていないヌクレオチド間結合を含んでなる主鎖を含んでなる、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記イミダゾキノリンが、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾキノリンアミン、イミキモド、またはレシキモドを含んでなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、生理学的条件下で前記主鎖を安定化させるよう機能する安定化化学修飾を含まない、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、ホスホロチオエート安定化化学修飾を組み込むように修飾されていない主鎖を含んでなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記免疫調節薬がアジュバントである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アジュバントがToll様受容体(TLR)作動薬を含んでなる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記TLR作動薬がTLR3作動薬、TLR7作動薬、TLR8作動薬、TLR7/8作動薬、またはTLR9作動薬である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記TLR作動薬が免疫賦活性核酸である、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
前記免疫賦活性核酸が免疫賦活性DNAまたは免疫賦活性RNAである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記免疫賦活性核酸が、生理学的条件下で主鎖を安定化させるよう機能する1つ以上の安定化化学修飾を含んでなる、CpG含有免疫賦活性核酸である、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
前記アジュバントが普遍的T細胞抗原を含んでなる、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記合成ナノキャリアが、B細胞抗原および/またはT細胞抗原をさらに含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記合成ナノキャリアが抗原提示細胞(APC)標的特性をさらに含んでなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記合成ナノキャリアが1つ以上の生分解性ポリマーを含んでなる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記免疫調節薬が前記免疫調節薬共役部分を通じて前記1つ以上の生分解性ポリマーと共役している、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる、請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
前記生分解性ポリマーが、ゲル透過クロマトグラフィーを使用した測定で、800ダルトン〜10,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記免疫調節薬共役部分がアミド結合を含んでなる、請求項2および9〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記免疫調節薬共役部分がエステル結合を含んでなる、請求項2および9〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記合成ナノキャリアが、脂質ベースナノ粒子、ポリマーナノ粒子、金属ナノ粒子、界面活性剤ベースエマルジョン、デンドリマー、バッキーボール、ナノワイヤ、ウィルス様粒子、ペプチドもしくはタンパク質ベース粒子、ナノ材料の組み合わせを含んでなるナノ粒子、球状ナノ粒子、立方体ナノ粒子、錐体のナノ粒子、長円形ナノ粒子、円柱状ナノ粒子、またはドーナツ型ナノ粒子を含んでなる、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
合成ナノキャリアと共役している免疫調節薬を含んでなる前記合成ナノキャリアを含んでなる組成物であって、前記免疫調節薬が、
IA(4.5)24/IA(4.5)≧1.2;
の関係式に従って前記合成ナノキャリアから分離し、
式中、
IA(4.5)24は、前記合成ナノキャリアのサンプル全体で平均した、pH=4.5で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される免疫調節薬の重量と定義され、
IA(4.5)は、前記合成ナノキャリアのサンプル全体を平均した、pH=4.5で6時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される前記免疫調節薬の重量と定義される、組成物。
【請求項26】
前記免疫調節薬が、前記合成ナノキャリア中にカプセル化された不安定な免疫調節薬を含んでなる、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記不安定な免疫調節薬が、イミダゾキノリン;アデニン誘導体;または5’−CG−3’(式中、Cはメチル化されていない)を含んでなるオリゴヌクレオチドを含んでなり、前記オリゴヌクレオチドは1つ以上の安定化されていないヌクレオチド間結合を含んでなる主鎖を含んでなる、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記ミダゾキノリンが、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾキノリンアミン、イミキモド、またはレシキモドを含んでなる、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、生理学的条件下で前記主鎖を安定化させるよう機能する安定化化学修飾を含まない、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、ホスホロチオエート安定化化学修飾を組み込むように修飾されていない主鎖を含んでなる、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
合成ナノキャリアと共役している免疫調節薬を含んでなる前記合成ナノキャリアを含んでなる組成物であって、前記免疫調節薬が、
6≦IA(4.5)24/IA(4.5)≧1.2;
の関係式に従って前記合成ナノキャリアから分離し、
式中、
IA(4.5)24は、前記合成ナノキャリアのサンプル全体で平均した、pH=4.5で24時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される免疫調節薬の重量と定義され、
IA(4.5)は、前記合成ナノキャリアのサンプル全体を平均した、pH=4.5で6時間にわたる生体外水性環境に対する前記合成ナノキャリアの曝露に際して放出される前記免疫調節薬の重量と定義される、組成物。
【請求項32】
前記免疫調節薬が、前記合成ナノキャリア中にカプセル化された不安定な免疫調節薬を含んでなる、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記不安定な免疫調節薬が、イミダゾキノリン;アデニン誘導体;または5’−CG−3’(式中、Cはメチル化されていない)を含んでなるオリゴヌクレオチドを含んでなり、前記オリゴヌクレオチドが1つ以上の安定化されていないヌクレオチド間結合を含んでなる主鎖を含んでなる、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記イミダゾキノリンが、イミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾキノリンアミン、イミキモド、またはレシキモドを含んでなる、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、生理学的条件下で前記主鎖を安定化させるよう機能する安定化化学修飾を含まない、請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
前記オリゴヌクレオチドの主鎖が、ホスホロチオエート安定化化学修飾を組み込むように修飾されていない主鎖を含んでなる、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記免疫調節薬が免疫調節薬共役部分を通じて前記合成ナノキャリアと共役している、請求項25または31に記載の組成物。
【請求項38】
前記免疫調節薬が前記合成ナノキャリア中にカプセル化された、請求項25または31に記載の組成物。
【請求項39】
前記免疫調節薬がアジュバントである、請求項25、31、または37に記載の組成物。
【請求項40】
前記アジュバントがToll様受容体(TLR)作動薬を含んでなる、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記TLR作動薬が、TLR3作動薬、TLR7作動薬、TLR8作動薬、TLR7/8作動薬、またはTLR9作動薬である、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記TLR作動薬が免疫賦活性核酸である、請求項40または41に記載の組成物。
【請求項43】
前記免疫賦活性核酸が、免疫賦活性DNAまたは免疫賦活性RNAである、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記免疫賦活性核酸が、生理学的条件下で前記主鎖を安定化させるよう機能する1つ以上の安定化化学修飾を含んでなる、CpG含有免疫賦活性核酸である、請求項42または43に記載の組成物。
【請求項45】
前記アジュバントが普遍的T細胞抗原を含んでなる、請求項39に記載の組成物。
【請求項46】
前記合成ナノキャリアがB細胞抗原および/またはT細胞抗原をさらに含んでなる、請求項25〜45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記合成ナノキャリアが抗原提示細胞(APC)標的特性をさらに含んでなる、請求項25〜46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記合成ナノキャリアが1つ以上の生分解性ポリマーを含んでなる、請求項25〜47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記免疫調節薬が前記免疫調節薬共役部分を通じて前記1つ以上の生分解性ポリマーと共役している、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる、請求項48または49に記載の組成物。
【請求項51】
前記生分解性ポリマーが、ゲル透過クロマトグラフィーを使用した測定で、800ダルトン〜10,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する、請求項48〜50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記免疫調節薬共役部分がアミド結合を含んでなる、請求項37および39〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記免疫調節薬共役部分がエステル結合を含んでなる、請求項37および39〜51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記合成ナノキャリアが、脂質ベースナノ粒子、ポリマーナノ粒子、金属ナノ粒子、界面活性剤ベースエマルジョン、デンドリマー、バッキーボール、ナノワイヤ、ウィルス様粒子、ペプチドもしくはタンパク質ベース粒子、ナノ材料の組み合わせを含んでなるナノ粒子、球状ナノ粒子、立方体ナノ粒子、錐体のナノ粒子、長円形ナノ粒子、円柱状ナノ粒子、またはドーナツ型ナノ粒子を含んでなる、請求項25〜53のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
薬学的に許容できる賦形剤をさらに含んでなる、請求項1〜54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
請求項1〜55のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる、ワクチンを含んでなる組成物。
【請求項57】
請求項1〜56のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与するするステップを含んでなる方法。
【請求項58】
前記組成物が免疫応答を誘発するか、または増強するのに効果的な量である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記対象が、がん、感染症、非自己免疫代謝疾患、変性疾患、または依存症を有する、請求項58に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−528154(P2012−528154A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513052(P2012−513052)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/001560
【国際公開番号】WO2010/138193
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511254321)セレクタ バイオサイエンシーズ インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】SELECTA BIOSCIENCES,INC.
【住所又は居所原語表記】480 Arsenal Street,Building One,Watertown,MA 02472,U.S.A.
【Fターム(参考)】